金ピカ幼稚園@パニック、合同慰霊祭の真ッ最中。保護者らが何だか、保育士らと絶賛お騒がせ中なのだけれども、何が原因なのか?判然としない。また、その全容も不可解であった。グラサン掛けたパツキンのおなべ風男を扇動者として、そいつがオーケストラの指揮をするように、集団は、そいつの手拍子に合わせて、完全にコントロールされていた。手拍子が奇数回になると、お互いを気持ち悪い程に褒め媚び諂い合い、お辞儀したり、抱き合ったり、ハイタッチしたりし、偶数回になると、お互いを物凄い勢いで罵り貶し合いアゲツライ、殴ったり、蹴ったり、膝蹴りカマしたりし、傷つけ合っていた。取っ組み合いの喧嘩をしたかと思えば、和解して抱き合い涙を流し、それからまた、殴る蹴るの暴行が始まる。異様な光景であった。しかし、扇動者は陽気に手を鳴らし、はいはいとリズムを取っていた。そんな社会に、ボクらは組み込まれている。

手拍子が止み、その場は、一応の収束を迎えたMOB SCENEなのだけれども、また、ここは、田舎の金持ちが建てるような、無駄に豪奢なゴールデンエイジオブザグロテスク建造物であり、寺がバックと思われる。宗派不明。国籍不明。言語は日本語を喋る。静謐を強制的に手繰り寄せ、黙祷を捧げている人々。すると、突然、その静寂を掻っ捌(さば)いて、一人の児童が甚だ奇怪なNew Genaration’sアワセレブスレクイエムアンセムをはな唄い始めたかと思うと、シンガロングの大合唱SCENEがスタートした。夏吹く風は何処吹く風。メロディラインに則った正規旋律の合唱部隊とは別に、本来の歌詞の合間合間にフリスタの科白を捻じ込んでいたのだけれども、しかし、それは、歌を唄うと云うよりも寧ろ、てんでバラバラに好き勝手放題、テメエの好きなフレーズを、只、只管、単純に叫んでいるようであった。そしてやがて途絶えた児童らの歌声。その後、一旦は静寂を取り戻したかのように見えた、GUERRILLA LIVEだったが、二人の幼児による同時多発的にユニゾン発言、「・・・何だよ?」と云う、囁きにも似た呟きに端を発した爆笑の渦が巻き起こったことによって、一旦は鎮まったものの、盛り上がりを再度ぶり返した。静寂を恐ろしいものと仮定して、掻き消そうとして躍起になる児童ら。保育士らが抑えようとしても痕の宴で、またこちらとしては、堪えようがなかった。典型的なエクスクルーシヴ崩壊MIXである。この、生を受けて間もない、こないだまで精子だったクセに、卑猥度を増した、動き始めたマイレボリューションの替え歌Ver.を、生まれいずる前の記憶を手繰り寄せ、 がなりまくる児童たち。そんじょそこいらの大人じゃ到底太刀打ち出来ないような、何者の手にも負えないような、彼ら独自の節廻しを手に入れて、猥歌合戦を繰り拡げていた。騒然となった現場、一段と勢力を増したSmells Like A Beautiful Shit SCENEに為す術は、是、ナッシング。まるで社会を罵るかの如く、そして、半ば嘲け合っているような声色で、捉えどころのない魂のぶつかり合い。幼児たちの声は、時に烈しく、時に荒々しく、また時に異様に大人びていた。大人たちは、この緊急事態に諦観状態、止めるでもなく咎めるでもなく、只、只菅、見守りつつ、共同の咆哮によって昂奮の絶頂エクスタシーに達し、お互いの魂が共鳴し影響し合うことによって融合されたエネルギーの相乗効果でスーパーナチュラリストと化し、断末魔のような狼煙のような叫び声を上げながら盧山昇龍覇のように昇天し、その後、牛肉片をまな板に叩きつけた音の拡大解釈版のような物凄い音を立てて落下し、夭逝した児童らのその亡骸を無表情で処理していた。エクストリーム崩壊MAX寸前の危機だと云うのに、寧ろ、大歓迎のノリと化し、この隙に、このドサクサ喧騒に紛れて、しめしめとばかり、勝手気儘、訳の判らぬ式典のを進行している。それがこれからどれだけの損害を蒙ろうとも知ったこっちゃねぇやと言わんばかり、自らの目先の利益だけを優先し、サーチ & デストロイする無法愚者と化し、何れ“慈愛”に充ち満ちた、その、奴らの言うところの所謂、“愛”と云う名に相応しき“愛情表現”を以ってして我々をいつの間にか陥れ、崩れ落ちる社会を導く未来への布石になるようなことをしでかそうと企んでいるようであった。そして、その時になったら、その時で、他人に罪のなすりつけ合いをするのだろう。幼児たちは、大人たちの無関心をいいことに、その蛮行をエスカレートさせた。正にエスカレートするド素人状態。当たり構わずガナり続けるもの。奇声を発しながら保育士に対して抱きつくもの。突然、脱糞するもの。それを投げつけるもの。その新鮮な糞に集る蝿のようなもの。また、投げつけられ糞に塗れライク・亜・ゾンビ化、「糞をつけるぞ~!糞をつけるぞ~!」と、そこら中をへらへらしながら歩き廻っていると云う、「これからおやすみになる方も、そして、おめざめの方も、時刻は日本終了を告げる時となりました。世にも奇妙な地獄絵図の時間です。」と云う状況を象徴するような保育士から逃げ惑うもの。滔々と般若心経を語るもの。そして、卑猥な言葉を力の限り口走るもの。しかし、その語彙の少なさから、自らの進退を、他者によらず決定せざるを得なかった。耳を澄ましていると、その声は、次第に大きくなったり小さくなったりしていたものの、一定の大きさに収束していった。

これで最後かともったらいつだってこの体たらく。輝ける次世代なんて、こんなもん。いっつも、「不世出だろ?こんなドイヒー世代は!こいつらよりもひどい、こいつらの上をゆくような奴らなんて、あと数億年は出ねぇだろ?これでもうラストなんだろ?オレたちを裏切るのは!」ってんで、安心しきっていたら、これもんですよ!はい。更に壮絶な、ヘビー級の輩ズが現れて大立ち廻りするんだから、現実ってやっぱ、ゴイスーだゃね!」もう、バカらしくてアホらしゅうて見ていられなかった。最早、オレには判らない言語を話しだし、オレには判らない感情を表現していた。笑っているのか?痙攣しているのか?すら判然としせず、それよりも、児童らの睫の羽ばたく音が耳障りであった。我慢ならなくなり、この軒先から飛び立とうとしたが、一人の少年の存在に引き留められた。この、狂った世界の真ん中で叫ぶ気力さえ失い、一人佇む少年、哀れ。この、おぞましくも喧騒に彩られた状況で、為す術なくして一人跪くばかりなり。図らずも、この腐った世の中に身を投じたばかりに、もがき苦しむ運命を辿ることになろうとは、着床段階では知る由もなかっただろう。孤独と絶望が、影を落としていた。オレは我が身を投影した。生まれて初めての社会参加、今までずっと待ち望んでいた場所に漸く辿り着いて、希望に充ち満ち、やる気が漲っていたのだろうけど、それをどんだけ持続出来るか?って話で。次々と襲い掛かってくる阻害要因を排除して。そのエンジンが切れてマンネリ化すっと、胡坐掻いて開き直って、「こんだけやったんだからいいだろ?お前ら満足しろよ?」みたいになんだろうなァ…。この少年が、そうならないことを祈るだけだ…。よ~く見ててみん!これが現実だから。現実のイヤガラセだから。でもいつか、そのイヤガラセがいつかピタリと止まるから。嵐の中をずうっと走ってれば、いつかは台風の眼に辿り着き、ハレノヒノメを見られるから。でも、おかしな連中ばっかのとこに一人だけまともなのが来ると、そいつ、具合悪くなって倒れちゃうからさァ?それだけは如何か気をつけてくれ!その少年の、「こんなことを思っていたら驚くかしら…?」と云う心内語に続く、この状況に対する違和が聴こえ、現実の、その本来の姿形を残したままの状態を愛でようとしていることに、おんなじ花に対しておんなじ美しさを感じていたようで、オレはうれしく思った。

最早、意識朦朧としてはいるのだけれども、是、不思議。自然と、そして確実に、前にだけは進むことが出来た。ふらつきながらほっつくケモノはこのオレで、ひらひらと舞った。鏡に自らの体躯を映じてみると、壮麗な翼を拡げている。@劣情が覚めやらぬ中、現なんて一時の夢かと諦めて。これが現実の夢ならば、どんなに素敵だったことあろう。もうこれ以上、不吉なことは起こらないだろうと案じ。身を捨てず。呆れ果てず。希望を捨てず。生の半ば、峠も越えたが、何処へ行っても情け容赦なく切り捨てられ、耳に残るはあの蔑むような眼だ。突然変異種である我々は、存在自体が悪らしい。火傷ならまだしも、舞うだけで人を死に至らしめるらしい。飛ぶ羽根を見せつけて、燻す飛業。斬新な飛び方は、良きにしろ、悪しきにしろ、人々を魅了してやまない。現実化された飛行。未来は時を越えて、燐粉を浴びし者は死する。ながい蛹期間を経て、キラキラと羽ばたくも、疎まれ、厭まれ、貶され、害虫のように扱われ、@フリーハンドで綴られる、ネガティブキャンペーン。既に、地の果てまで逃亡するとハラヲキメた。精子をブチマケることだって出来る。待ったなしのこれからの人生。旅立つ先の■景色。天仰げば、いとも容易く朽ち果てるだろう。街から街へと、風吹烏オリジネイタ-。オレは、オレを失った時に、本当の、オレの意味を、オレは知ることになるだろう…行き交う人々の笑みも消え、決定的だったのは、これからの予定が何もなかったことだった。これから、真っ当な人生を歩みたいと思ったこともあったがそれも叶わず、死神に添い寝され、行き倒れになるのも悪くはないが、今生、それでもこの言葉だけでもあの人に伝えたかった。染みつく言葉も枯れ果てて、行きずりの生半ば、道を諦め、世に佇み、我がとこしえの光求めて、いざ逝かん! 土曜日の海岸線、雷のような花火が鳴って、野良猫の喜怒哀楽に共鳴した。しろじろと身に月光を浴び、怪しくも明るい霧の中で、かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、眼つきばかりは何処までも爛々としていた。そして、オイラは蜘蛛の巣ガカッタ屑野郎。もうすぐ喰われる運命。

 

 

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